指導案の指導上の留意点をどのように書いたらよいか 1

指導上の留意点が、なかなか書けないときには・・・2023.4

 学習指導案作成において、最も書くのが難しいのが、指導上の留意点だと思います。
作成に慣れていないと、いったい何を書いていいのかが思い浮かばなかったり、書けても読み手に真意が伝わりにくかったりするものです。
そこで、指導上の留意点をどのように書いたらよいのか、実際に機能するように考えてみましょう。

1、指導上の留意点とは

指導上の留意点とは、どのような指導を行うのかを想起したときの、指導のポイントを表したものといってよいでしょう。
予想される生徒の反応をもとにし、目標を達成するための場面ごとの方策などが、具体的に想起できるような表現を心がけることが大切です。
なぜなら、指導案は基本的に他人に見せるものであり、授業者の意図を理解しやすくするためのものだからです。

例えば「……についても考えさせる。」「……を見せることでヒントとする」など、具体的に、「何を」、「どうするのか」を書きます。
「事故が起きないようにする」や「理解させる」といったような、そのために「何を」、「どうするのか」がわからないような、具体的でない表現にならないように気を付けましょう。

また、主体的な学習活動を促進させるための配慮(例: 机間指導,個に応じた指導,発表を促す指導)についても積極的に記述していきましょう。

2、話し合いの場面では

「誰と」、「何を」、「どのように」といったことを明確に記載します。
「誰と」とは、隣の人と話し合うのか、グループか、全体かなどです。
「何を」とは、話し合う課題の切り口や、それを解決するために順を追って数個に分解された質問などです。
考えたことの発表の仕方や、まとめ方の詳細などがあげられます。

3、観察・実験の場面では

準備の場面では、生徒の役割分担をどのようにするかなどがあります。
観察・実験中であれば、各器具の扱い方など安全上の留意点や、その他具体的な注意事項や工夫などがあります。また、生徒の役割分担の仕方、記録上の注意事項などもあるかと思います。
また、T2、T3など、複数で授業を行う場合は、それぞれの教師の動きを明示します。
さらには、片付けの場面で必要事項があれば、この欄に記載しましょう。

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4、考察の場面では

例えば、データなど事実については、「…であった。」それを受けての自分の考えは、「…と考える。」などと区別して記載させると書き、これを習慣化させるのもよいかと思います。
また、生徒の考えがまとまらないときの原因を予想し、それに対応したヒントの与え方を記述しましょう。このとき、生徒のつまずきに対応した教師の手立てが複数示されているとなおよいかと思います。

5、振り返りの場面では

本時の目標に対し、生徒各自がどのような方法で振り返るのかを記載します。
例えば、目標に対し、「abcの3段階で該当するものに丸を付ける」、「自由欄に記述させる」などがあります。

指導案の指導上の留意点をどのように書くか 2に続く

投稿者: KANTAN理科

感嘆!理科と申します。 元公立学校教員です。 理科、環境教育、防災教育に関心があります。   先生方はとかく忙しいので、本サイトを読むことで、少しでも教材研究やきょいく技術の習得をスピーディーに行ってもらいたいと考えています。 特に若い先生方のお役に立ちたいと思っています。

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