6、説明する場面では
板書や見せる写真や動画、番組に、どのような解説や注目点を与えるのかなどを記載します。
また、その前後で生徒にどのような問いかけをするのかを書くのもよいと思います。ちなみにこの問いかけが少ないと、一方的な授業になりがちなので、多めに設定するとよいかと思います。
このような場合、全部書くのは大変ですので、代表的なものを数個書けばよいかと思います。
7、評価する場面では
評価規準などともに、「努力を要する」状況と評価した生徒に対する指導の手立てを記載します。これについては、「指導案の指導の手立てをどのように書くか」のページを参照ください。
8、 生徒指導上の留意点は
生徒指導上の留意点は、どのようなことを書いたらよいでしょう。
児童・生徒指導には,国は自己指導能力の育成として、次の3機能をあげていますので、これをもとに書かれるとよいと思います。
「自己存在感」・・・認める ほめる 励ます
「共感的人間関係」・・・自己開示 児童生徒理解 コミュニケーション
「自己決定」・・・自己決定の場の設定 成功体験の積み重ね
これをもとに考えると、例えば「自己存在感」では、
「よい考えを発表した生徒には、そのよさの理由をあげて広める。」
「日頃活躍する機会の少ないAさんを意図的に指名し、必要な助言をしながら、適切な回答に近いものを引き出し、進歩を賞賛する。」
などが考えられます。
9、人権教育上の配慮は
例えば次の4つの視点から,本時で育てたい能力・態度を明らかにし,記載するようにします。
「知性」・・・人権の大切さや人権にかかわる様々問題を正しく認識できる知性
「判断力」・・・偏見や差別の不当性を科学的に見極めるとともに,物事を公平・公正に見極める判断力
「感受性」・・・共に生きる喜びや,差別・不正に対する悲しみや怒りを感じる豊かな感受性
「実践力」・・・人権にかかわる様々な問題を主体的に解決し,人権尊重の社会を築いていこうとする実践力
例えば、「測定値から得られたグラフが直線と判断してよいか。」「グラフから比例の関係と考察するのは妥当か。」などを考える場面で、
「物事を公平・公正に見極められるよう、判断した根拠について見つめさせたり、適切なものを賞賛したりする。」
などと書くことが考えらえます。
このように考えていくと、書くのが苦手だった方も、かなりの数が思い浮かんだり、授業の細部がイメージできるようになったりしたかと思います。
数が多くなったことは、授業者の授業設計の力量が増したことを意味しており、大変素晴らしいことなのです。
反面、数が多くなりすぎたときには、どうしたらよいかという課題にも直面します。このようなときには、
・強調したいことは残す
・あたり前のことは省略する
というスタンスで、選んでいくのがよいと思います。
特に、ベテランの先生になるほど、本時にしか、あてはまらないような特殊性のある留意点が、とても重要であるという考え方を大切にしたいものです。