学習のパフォーマンスを上げる方法

脳科学を活用してパフォーマンスを向上させる方法とは???
2024.2

 

先生方は、学習のパフォーマンスを上げる方法をお持ちかと思いますが、同時にさらに良い方法があればという気持もお持ちかと思います。
そこで、少し脳科学の力を借りて、具体的な事例をもとに考えてみましょう。

1、適度なストレスでパフォーマンスは最大

パフォーマンスを上げることに関して、「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」というものがあるのをご存じでしょうか。
このことを端的に表現すると、「適度なストレスを与えるとパフォーマンスは最大になる。」ということです。
授業を実施する際には、関心を高めたり、賞賛したり、多種多様なかかわりをしていると思いますが、活動する中で、一部の活動に適度なストレスや緊張感を持たせることも大切といえます。
課題を与えた際、生徒の活動時間をやや短めに設定することもよいかと思います。「元素記号13個を3分間で覚えましょう。」などがその例です。

2、効果的なほめ方

生徒の長所をほめることは、もちろん効果がありますが、自分だけが気が付いた生徒の長所をほめることができれば、さらにパフォーマンスを上げることにつながるでしょう。
この例としては、「実験の時、皆が気づかないような小さな事象に気付いた。」とか、「最近、授業への集中力が上がった」などでもよいのです。このように考えると、ぐんと敷居は低くなるでしょう。
このためには、相手を注意深く観察し、どんなことを考えたのか相手の立場に立って推察することが大切です。

3、普段はニコニコ、主張はしっかり

基本的には生徒に対し、「普段はニコニコしながら、主張するべきところはしっかりと主張する」姿勢が基本です。
転じて、普段ニコニコしながら、「迎合はしない。」「要求すべきことはしっかり要求する。」「必要があるときは、毅然とした態度で指導する。」といったメリハリをつけることが大切です。
このことをより高度に実現する具体的方法としては、「アサーショントレーニング」が有効です。
アサーション<自己表現>トレーニングとは、自分も相手も大切にした自己表現を身につけていくためのトレーニングで、自分の気持ち、考え、信念等を正直に、率直にその場にふさわしい方法で表現していきます。
ひとりひとり違う私たちだからこそ、時にはそれぞれの考えや思いが対立したり、葛藤を起こしたりする場面もあります。それにどう向き合い、適切な自己表現を考え身につける手法です。

4、最初の5分間の集中

最初の5分間だけ集中することで、脳は学習モードに入り集中力が続くことが知られています。
授業でも、まずは、授業開始のあいさつ(礼)を、形だけにせずしっかりとやらせることは、学習に入るルーチーンとして機能し、脳は休み時間モードから、学習モードに切り替わりやすくなります。
また、その後の授業導入部分で、知的好奇心を高めながらも、本時の目標を明確に示し、集中力を高める視点を大切にしていきましょう。
また、家庭学習を指導する上でも「最初の5分を頑張る」ことを強調しましょう。
生徒が家庭学習をする際、最も心理的エネルギーを使うのは、余暇から学習に切り替えるときです。ついつい余暇を続けたい誘惑にかられるのが人の常です。
ですからで、「最初の5分を頑張ることができれば、50分間学習することは難しくはない。」と指導していくのもよいかと思います。

参考文献 
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた 中野信子 アスコム
アサーション〈自己表現〉トレーニング | 株式会社 日本・精神技術研究所(日精研) | 心理アセスメント・心理トレーニング (nsgk.co.jp)

投稿者: KANTAN理科

感嘆!理科と申します。 元公立学校教員です。 理科、環境教育、防災教育に関心があります。   先生方はとかく忙しいので、本サイトを読むことで、少しでも教材研究やきょいく技術の習得をスピーディーに行ってもらいたいと考えています。 特に若い先生方のお役に立ちたいと思っています。

コメントを残す